鳥(Trautonium).wav トラウトニウムの音 付録E「楽器についての補足」5.電鳴楽器 2.音合成法 (3)減算合成 (a)トラウトニウム 関係写真:コーヒーブレイクに初期のモデルの写真と映画「鳥」の音の作成風景 ヒッチコック(Alfred Hitckcock:1899-1980)監督のホラー映画の先駆けともいえる 「鳥」(1963年)で多数の鳥の集団の鳴き声の合成にトラウトニウムが使われた. トラトニウムはフリードリッヒ・トラウトヴァイン(Friedrich Trautwein:1888-1956) によって1929年に開発された減算合成型のシンセサイザーである. 高調波を多数含む信号波形を発振器によって発生させておき,その周波数特性と 時間包絡を調整する型のシンセサイザーで,キーボードの代わりに金属線を押さえる 位置によって音高をとった.開発当初からの奏者でもあったオスカー・ザラ (Oskar Sala:1910-2002)によって,後に周波数分周回路によってサブハーモニック (基本波の周波数よりも低い周波数の成分,通常は整数分の1)も発生できるようになり, これはミクストゥール・トラウトニウムと呼ばれた.